UFOと食パン
UFOと食パン
王浩澤 写真展
2024年12月26日 – 12月1日 12:00-19:00 最終日17:00まで
156-0043 東京都世田谷区松原1-51-3 エトワール 3F 半山ギャラリー
東京都市圏において、都市の周辺部や、主要な都市の間に位置する「ベッドタウン」と名付けられた住宅地は、ラップフィルムのように広大な土地を覆っている。そこでは、人々は朝になると都市中心部へ向かい、夜になると戻ってくるという日々を送っている。住宅地としての機能性が強調される一方で、場所の特性は喪失し、「ベッドタウン」は一戸建て、マンション、コンビニ、大型スーパーが混在する画一化された空間へと変わってしまう。これらの地域は、生活の利便性を与えるが、想像力と神秘性を提供していない。人文地理学者レルフは、「没場所性」という概念を通じて、場所の特性が規格化によって喪失している現象を描いている。
昔、神や怪異などの非合理的なものが隣人として存在していた。それらの物語は、人々とその場所を強く結びつけるものであった。しかし現在、そのような物語は消え去り、住宅地はただの物理的な空間になってしまった。したがって、このプロジェクトでは、新しい都市伝説を通じて、「ベッドタウン」の「没場所性」に対抗することを試みる。住宅地に小さなUFOが着陸することや、不思議な場所に食パンが置かれることなどの比喩的な物語を通じて、無個性の住宅地に神秘性を取り戻すことを目指している。