「蓋はあるけど、棺おけは奥まで見える」

袁铄涵 エンシャクカン

時間:2020年8月18日-8月23日 12:00-19:00 月曜日休み
最終日:12:00-17:00

 

蓋はあるけど、棺おけは奥まで見える

コロナの影響で世界は予想がつかない状況になっている。安全のため、人々はお互い常に距離を置く状態 になっている。国と国の間には制限が設けられ、自由に往来することができない。電子機器を通じて会話 している私たちは、スクリーンの向こうで人の温度を想像し、そのスクリーンのガラスが割れる日が来る ことを待っている。家にずっといることで、時間が見えないところで無意識に消えていく。その時間はも う二度と戻ることはない。過去はもう変えることもできない。それは私たちみんな一緒である。

来年、大学を卒業する。留学生とって、この先のことを考えなければならない。自分も含めて、他人との 溝が小川になった。今を超え、他の時空に飛び込むことはできない。日々に対する印象は数字になってい る。日にちを分ける境界は、実線が破線になった。人と人との距離がどんなに近くても感じる壁が大きく なった。孤独を感じる時間と空間も増えていく。穴の中で、今、過去と未来の想像の間で絶えず行き来 し、懐中電灯は電源を失う危険に直面している。ちらちらしているが、でもしっかりと握っている。暗い 道に向かって、前の道がどんどん見えなくなる。電子時代の今、電子機器の故障と同じく、時間も故障し ている。時間の連続性はまるで合併したように、一体化している。カレンダーの概念が死んだ。その時間 の死、今に対する不安、目の前の暗雲は全部透明な棺おけの材料になって、棺おけを作り上げていく。自 分がその中にいる。でも外から中にいる自分も見えている。未来に対する不安は来ると予知していたが、 どうしようもない。必ず何かに向かって、カウントダウンしている。でも終わりが見えない。

蓋はあるけど、棺おけは奥まで見える。ここで自身への”祝福”を持って、花を捧げる。

2020年8月 エンシャクカン