鄧瀟宇 写真展「さよなら、渡り鳥

2022年08月09日 – 08月21日 12:00-19:00 最終日17:00まで

2015年から、私は常に家を離れた生活を迎えた。それ以来、ずっとさまよっている。絵を習っていたとき、数多くの町に行き、それから大学に入って武漢に行った。家からの距離はどんどん遠ざかっていき、渡り鳥のようにちょっと家に戻ってまた遠くへ飛んでいく。家を出ているときは家が恋しく、家にいるときはまた家を出たい。矛盾しているが、もう少し家にいたいことだけは変わらない。

過去数年間の人生は、私は何か失うとか誰かと離れるということが怖いと思っていた。でもそんなことがいつもあり、繰り返して「さよなら」と言っていた。私は記憶を保存する方法を探し始めた。そして、写真を撮り始めてから、ようやく緩やかに別れを告げる方法を見つけた。

私の家族は2006年にここに引っ越してきたが、最初は建物が日陰になっていることに気づいた。ベランダにいる時だけは日差しが見える。家が太陽でいっぱいになるというようなことはない。私の部屋はこのベランダにつながっている。15年か16年の人生の中で、私は徐々に暗闇を受け入れ、暗い空間を越した光から外の世界を感じることに慣れた。この「闇」は私の家の中で特別なつながりだと思う。光の中で、記憶の中の家の匂い、感覚、雰囲気が無意識のうちに、シャッターを押すように促す。

コロナの影響と卒業が近づくことで、私は一時的に外をさまよう日々を終えた。これは過去67年で最も長い家での時間だった。でも、日本に来ることを決めてから、離れ行く予感がまるでカウントダウン時計のように別れの時間を伝えていた。いつか故郷に戻れるかを知らない「渡り鳥」は家を出る前、カメラでこの一年間家のすべてを留めた。この間、家は小さな劇場のように日常の生活が演じられていた、人生はまさに劇のようなものだ。一つのシーンが終わり、また次のシーンが始まる。

鄧瀟宇

2000年広東省汕頭生まれ。武漢理工大学でプロダクトデザインを卒業して、現在は東京在住。