村越としや 写真展「Friday, 3 April 2009」
2021年11月23日 – 12月19日 12:00-19:00 最終日17:00まで

祖母が亡くなり今年で12年が経ち2021年3月末に13回忌の法要が行われた。
2008年の暮に祖母は体調を崩し検査をした結果、スキル性の胃癌が見つかった、そして年が明けた2009年1月7日に入院、余命は3ヶ月と宣告される。
そして宣告通り約3ヶ月後に亡くなった、本人には余命が僅かで助からないということを伝えず、入院していれば良くなるとだけ伝えていた、少しでも長く生きて欲しいという理由から手術も行ったが結局は開腹しただけで何もすることなく手術は終わった。
祖母はきっと自分の体調の変化やぼくが頻繁に東京からお見舞いにきたり、写真を撮らせて欲しいとお願いをしていたから、きっと自分はもう助からないということを本当はわかっていたんだと思う。
記憶というのは本当に不確かなもので、例え写真を撮り残しても、時間が経つにつれ消えていくもの、ある特定の部分だけが鮮やかに残り続けるもの、少しずつ自分の都合のよいものに置き換えられるものなど様々なように感じる。

 

村越 としや (Toshiya Murakoshi)
1980年福島県須賀川市生まれ。文化服装学院中退。主な受賞歴に、日本写真協会賞新人賞(2011年)、さがみはら写真新人奨励賞(2015年)。2009年自主ギャラリー「TAP」を東京・清澄白河に創設する。東京国立近代美術館、サンフランシスコ近代美術館、福島県立博物館、相模原市に作品が収蔵されている。現在、武蔵野美術大学、立教大学、日本写真芸術専門学校講師。