「風城」

高岩

時間:2019年11月15日-12月6日 12:00-18:00
最終日:12:00-17:00

高 岩 (写真家)✖️菅沼 比呂志(キュレーター)トークイベント
・11月16日(土)17:00〜18:00
・予約申し込み不要
・アーティストトーク後はレセプション パーティーを行います。

 

このプロジェクトのタイトルを「風城」にした理由は、撮影地の風が非常に強く、地形の多くが風によって形作られているからです。

ここに来たのは、2017年4月に、美術学部の写真学科の学生を中国福建省の海岸沿いにある未開発の島に連れて行き、写生を行うためだったである。当時、主な調査地を福建省の「平潭島」と「黄岐半島」沿いのいくつかの村にしました。唐以来、福建省の沿岸部は中国の海上における商業の中心地であるため、この地域には海の文化があります。島は天然資源が豊富で、村が1000年以上の歴史があり、昔の特徴を持った建物がたくさんあります。2013年から、政府によって「平潭」が「総合実験エリア」に設定され、投資誘致が行われました。すると、多くの民間企業がここに拠点を立て、資源の開発をし、地域における観光業の端を発したのです。

「平潭島」で写真撮影をしようと思ったのは、当時、「原生態」という流行りの文化に興味があったからです。「原生態」とは、現代の人工物がほとんどなく、未開発で自然豊かなところのことを指します。しかし、「原生態」は果たして我々に何をもたらすのかという単純な疑問が浮かびました。それは、特定の地域の歴史、地理的特徴、自然環境がもたらしてきた文化や伝統そのものの体験であるか、それとも観光業の発達による標準化された、同調性のある消費行動なのか。そこで、2017年4月と7月、2回撮影をしのたです。その結果、急速な開発や発展によってこの地域の風景や人々のライフスタイルが変わりつつあることがわかりました。私は個人的な視点でこの島の変化を記録し、地元の人々と自然環境や文化遺産、そして現代文明との関係と、それらが新しい文化による影響のもとで、自分の位置付けがどのように変化していくかを明らかにしようとしています。